専門医による医療解説


COPD Q&A

回答:井上病院 副院長 高橋正彦

  • Q:COPDとはどんな病気ですか?
  • A:COPD(chronic obstructive pulmonary disease)は日本語では「慢性閉塞性肺疾患」と言います。タバコの煙などの有害な空気を長期間に吸い込むことによって、気道や肺(肺胞)が障害される病気です。
  • 気管支などの空気の通り道を気道と言い、その障害により息を吸ったり吐いたりが困難になります。肺(肺胞)ではガス交換(酸素を取り込み二酸化炭素を出す)を行い、その障害により酸欠になります。その結果、息切れなどの症状が出ます。(下図参照)
  • ほとんどが長期間にわたる喫煙習慣が原因であることから、COPDは肺の生活習慣病といわれています。
  • Q:COPDの原因は何ですか?
  • A:COPDは別名「タバコ病」とも言われるようにヘビースモーカーに多い病気で、患者の90%以上は重喫煙者です。喫煙以外の原因として、大気汚染や職業的な粉塵の吸入なども挙げられます。
  • Q:COPDの症状は?
  • A:COPDの代表的な症状は息切れです。初期には階段や坂道で息切れを感じますが、病気が進行すると安静時にも息切れを感じるようになります。また慢性的にひどい咳や汚い痰が出たり、慢性気管支炎の症状が出ます。喘息のような症状が出ることもあります。
  • さらに症状が進行すると口すぼめ呼吸をしたり、胸郭がビアダル状の体型になります。
  • Q:COPDの診断は?
  • A:COPDの診断には肺機能検査が有用です。肺機能検査は肺活量を測定する検査ですが、肺活量以外に最初の1秒間に吐き出だせる空気の量なども測定でき、COPDの診断に有用です。COPDでは最初の1秒間に吐き出せる空気の量や割合が減少します。
  • 胸部CT検査では肺のなかに空洞がたくさんできる肺気腫が見られます。
  • Q:COPDの治療は?
  • A:COPDの治療で最も重要なことは禁煙です。禁煙によりCOPDの進行が抑えられるだけでなく、喫煙による数多くに病期にかかりにくくなります。
  • 薬物療法では、ステロイド剤(炎症を抑える薬)気管支拡張剤(気管支を広げる)・去痰剤(痰の切れをよくする)・鎮咳剤(咳止め)・抗生物質(細菌を殺す)が有効な場合があります。病気が進行すれば酸素吸入が必要になります。
  • Q:COPDは治るのでしょうか?
  • A:治療によりCOPDの症状を緩和することができますが、障害された気道や肺(肺胞)は治りません。禁煙によりこれ以上進行させないことが重要です。
  • Q:どうすれば禁煙できますか?
  • A:禁煙を始めてもイライラしたり集中が欠けたりし、うまくいかなかった経験はありませんか?イライラや集中力が欠けるのはタバコの禁断症状です。タバコの1つの成分であるニコチンが欠乏することにより起こります。
  • 飲み薬を飲むことにより、これらの禁断症状が出にくくする禁煙治療があります。飲み薬のほかに貼り薬やガムなどもあります。もちろんタバコを止める強い意志も必要です。
  • 当院においても禁煙治療を行っております。禁煙でお困りの方はご相談下さい。