専門医による医療解説


肺炎球菌ワクチンのすすめ

井上病院 診療部長 高橋正彦

  • 日本は世界一の高齢化社会
  • 総人口に対して65歳以上の占める割合が高齢化率です。日本は欧米やアジアの国々と比較して高齢化率が非常に高くなっています。日本の総人口は約1億2700万人で、65歳以上の高齢者は約3200万人で25%を超えています。今後さらに高齢化率が増加していくものと予想されます。(2015年現在)
  • 肺炎が死因の第3位
  • 日本で年間約120万人の方が亡くなられています。その死因の第1位は「悪性新生物(がん)」、第2位が「心疾患」、そして「脳管疾患」を追い越し「肺炎」が第3位になりました。今後も肺炎は増加し続けると考えられます。肺炎が第3位になったのには、高齢化の進行が要因であると考えられています。肺炎死亡者の96.8%が65歳以上の高齢者だからです。
  • 肺炎球菌による肺炎には要注意
  • 肺炎の原因になる病原微生物はたくさんありますが、その中で肺炎球菌が最も重要です。免疫力が低下している高齢者や未発達の乳幼児が肺炎球菌に感染すると重症化しやすく、致命的になります。そのほか、糖尿病・心疾患・呼吸器疾患を持つ方や喫煙者は感染リスクが高まります。
  • 肺炎球菌ワクチンが有効
  • 肺炎球菌による肺炎を予防し、肺炎による死亡数を減少させるために肺炎球菌ワクチンが有効です。1回接種すると5年間有効です。もちろん肺炎球菌以外の肺炎の予防ができるものではありません。
  • 健康寿命と平均寿命の差
  • 「健康寿命」とは、介護等を要さない健康でいられる期間のことです。日本の平均寿命は世界最高水準に達していますが、健康寿命はまだ低く、その差は男性で9.13年、女性で12.68年もあります。肺炎球菌ワクチンも、この差をなくす取り組みの一つです。 
  • 当院では肺炎球菌ワクチンの接種を行っています。65歳以上の方・重い持病を持つ方などが対象です。