専門医による医療解説


皮膚の乾燥について

井上病院 皮膚科部長 久山陽子 医師

  • 肌が乾燥しているといろいろなものを刺激として感じ取りやすくなり、それがかゆみや湿疹の原因となります。冬は湿気が少なくなり空気は乾燥し、肌も乾燥しやすくなります。それを放っておくと乾燥性の湿疹・皮膚炎ができやすくなります。
  • ナイロンタオルやボディブラシで皮膚を擦って洗うのは、その時は気持ち良いかもしれないのですが、皮膚の表面を守ってくれている角質を取ることになり、皮膚の乾燥が進み、湿疹・皮膚炎を起こしやすくなります。
  • 肌の表面の皮膚は外から受ける刺激、ウイルスや細菌、熱や紫外線など、いろいろなものにさらされています。
  • そのような多くの刺激から角質層がバリアして守ってくれています。また、空気が乾燥していると皮膚から水分が奪われてしまい、角質がカサカサになりはがれ落ちてしまいます。そうならないよう水分を守り保湿する機能も持っています。
  • ただし、角質細胞がはがれて薄くなったり肌の乾燥がひどくなったりすると、バリア機能や
    保湿機能に大きな支障をきたします。外からの刺激を受けやすくなり、肌トラブルをまねいてしまいます。

  • そうならないように、日ごろからの体の洗い方のコツをお伝えします。石鹸の泡を使って手で皮膚を優しく包むようにしてシャワーで流すような洗い方がオススメです。手のひらで空気を含ませるように泡立てたり、泡が出るボディソープを活用したりすると良いでしょう。
  • 背中に手が届かないと言われる方がおられますが、背中はシャワーでかけ流してくださいとお伝えしています。また、入浴後などに保湿剤を使うこともオススメです。
  • 当院での診察時には肌や症状に合う軟膏の処方や塗り方のアドバイスも可能です。お困りのことがありましたらご相談ください。